くっついてみる?
①引力ハッセイ
②注意セヨ
③ソウナン中
④コール!コール!
⑤来襲
⑥ボロボロ
⑦ぽん、 こつ、 だね
⑧遊泳の先に
⑨プロローグ
ーはじめに
この世界には引力があるみたい。人にも、恋にも宇宙にも?たくさんありすぎて今はみんな混乱中だ。 なんにもくっつけていない人もいれば、あたり一面にくっつけている人もいる。そんな彼らは体にくっついた色々なものを、バッジのようにくっつけて「僕はスゴイんだ」といばっている。もう少し気楽にいこうよ。名誉なんてもってても、宇宙ぢゃなんの役にも立たないよ。いるのは引力それだけさ。
ー引力ハッセイ
ぼくが引力というものにひかれ始めたのは小学四年生のとき。 それまでのぼくは、ただの石ころだった。
どんな風なのかと言いますと、なかなかに難しい。けど単純に言ってしまえば、「意思を持たぬ石」だろうな。
何をするにも意識がなくって。何度も何度もつまづいて気づいたら、少女が笑顔で見下ろしてぼくの目の前に立っていた。
ぼくの物語はここから始まる。そう。ただの石ころに引力がついた、その日から。
ー注意セヨ
石に引力がつくと何になるのだろう。それは隕石だ。隕石は宇宙に漂いながら、ある星へと衝突する。
少女との出逢いはまさに、隕石が星へと落ちていく現象そのものだった。ぼくは彼女の虜になっていた。
ただ、強い引力は余計なものまで引っ張ってくるらしい。ぼくは彼女だけをと思っていたのに、いつの間にかあたりは、見知らぬものばかりで溢れている。
なんとかいらないものをどかして進むんだけど、その先には……なんだこれ?
ソウナン中
つづく。