マニアにとってTwitterは、最高のツールである3つの理由。
マニアはTwitterで「アウトプット」「コミュニティー」「モチベーション」をものにする。
TwitterはただのSNSを超えたツールになる
ぼくの生活は劇的に変化した。なぜなら「Twitter」を使い始めたからだ。TwitterはSNSの代表的なサービスで、世界中の人たちがつぶやき、ネットワークを形成している。知らない人同士で、ふとある話題について雑談しあったり、著名人が個人の意見をつぶやいて炎上したり、企業が広告に使用したりと今では多様な使い方が確認できる。
そんなTwitterは「マニアにとってただのSNSを超えたツールになる」とぼくは考えている。それはTwitterを使うことで「アウトプット」「コミュニティー」「モチベーション」3つを効果的に運用することができるから。その理由について、実際にぼく自身の使い方を公開することで説明しよう。
Twitterでアウトプットすると「量」と「質」が身につく
Twitterの基本的な機能に「ツイート」というものがある。ツイートは思いついたことを140字の中で投稿することができる機能だ。140字というのは短すぎず、長すぎない文章量になっていて、意見を伝えるためには要約して投稿する必要がある。
マニアはたいていの場合、自分の考えていることを伝えるために、全てを説明しようとするが、全てを理解するような人たちは、今の社会では存在しないと言ってもいい。そんな中でTwitterのツイート機能は意見を要約し、自分の考えをまとめるための優れたツールになる。
Twitterには連続ツイートという使い方もあり、ある意見に対して連続でツイートすることで、自分の意見を効果的に伝えることができる。そこで例えとして、連続ツイートで有名な茂木健一郎さんのツイートを見てみよう。
連続ツイート1611回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、雨の朝に思ったことです。
— 茂木健一郎 (@kenichiromogi) 2015, 9月 24
電子本と紙の本では、何か違うのか、という質問を時々受ける。紙でなければいけないということはないだろうし、電子本の方が、活字を変えられるなど、メリットもある。しかし、電子本と紙の本の最大の違いは、個人の体験を超えたところにあるのではないか。
— 茂木健一郎 (@kenichiromogi) 2015, 9月 24
私は電子本もたくさん読んでいるが、いちばん寂しく思うのは、読み終えて、ああ、これはいい本だったなあ、これ読んでみなよ、と友だちに渡せないことである。紙の本だったら、自分が頁をめくったその本をはいよ、と渡すことができる。考えてみると、これはたいへんなメリットではないか。
— 茂木健一郎 (@kenichiromogi) 2015, 9月 24
モノには、個人を超えたところがある。私の友人の塩谷賢は、むずかしい哲学書など、やたらと線を引きまくるが、塩谷の読んだあとのヘーゲルやカントなど、持っていたいものだと思う。紙の本は、それを持ち過ごした時間が蓄積して、次の人に引き渡される。これは、モノとしての本しか持ち得ない性質だ。
— 茂木健一郎 (@kenichiromogi) 2015, 9月 24
外国などで、古本屋で本を買うと、時々、元々は図書館にあったと思われる本が混じっている。図書館の蔵書が見直されて、市場に「放出」されたのだろう。図書館のエンブレムが押されていて、貸出の記録が残っていることもある。スクール・ライブラリのこともある。そんな時、何かうれしい。
— 茂木健一郎 (@kenichiromogi) 2015, 9月 24
古本屋で本を買うと、時間や空間を超えて、知らない人とつながる気がする。蔵書印が押してあったり、メモが書いてあったり、名前があったり、書き込みがあったりする。そのような「メッセージ・イン・ア・ボトル」性は、モノとしての紙の本だからこそある。
— 茂木健一郎 (@kenichiromogi) 2015, 9月 24
もちろん、以上のような時間と空間を超えた人と人とのつながりは、デジタルデータでも、やろうと思えばやれるだろうけれども、それは技術の本質ではない気がする。デジタル・データには即時にシェアできる便利さがあるが、モノは、不便だからこそ、一種の「身体性」が立ち上がる。
— 茂木健一郎 (@kenichiromogi) 2015, 9月 24
自分にとって欠かせない紙の本の棚をつくるのは、おもしろい行為である。ぼくは、例えば、1989年に買ったペンローズのEmeperor's New Mindは大切な本で、人工知能について考え、意識の問題に興味をもつきっかけとなった。紙の本は、モノとしての不便さがあるからこそ面白い。
— 茂木健一郎 (@kenichiromogi) 2015, 9月 24
以上、連続ツイート1611回「紙の本は、モノとしての不便さがあるからこそ面白い」をテーマに、7つのツイートをお届けしました。
— 茂木健一郎 (@kenichiromogi) 2015, 9月 24
以上のように、連続ツイートは自分の意見を伝えるために、とても優れた使い方だし、自分の考えを簡潔にまとめることができる。さらにいくつかのメリットがある。連続ツイートは、そのままブログ執筆のアウトラインになり、積み重なったツイートは本として出版することも可能だ。
社会派ブロガーちきりんさんは「多眼思考」という本を出版していて、その内容は全てツイートから引用したものだった。このようにこれからのマニアはTwitterというツールを使いこなすことで様々な恩恵を得ることができるだろう。
フォロワーはコミュニティーとしてみることができる
自分のTwitterをフォローしてくれる人は、「フォローする人のツイートが面白いから」あるいは「日常生活が気になるから」だと考えられる。Twitterのタイムラインにはフォローした人のツイートが次々と流れていく。タイムラインにはただの雑談や広告、イベントの告知が溢れている。
注目するべきはイベントの告知にも使えるという点。つまり、フォロワーが多ければ多いほど、自分の運営しているイベントの参加を呼びかけることができ、コミュニティーを形成することができる。
マニアにとってコミュニティーの形成は最重要項目であり、自分の意見を体系化するために対話を重ねる必要がある。つまり、マニアが開催するトークイベントをツイートして、企画書をアップして、参加を呼びかけることで、人を集めることができるツールとして使用することができる、ということだ。
新政府総理大臣である坂口恭平さんはTwitterを利用して、数々のトークイベントの告知をしている。
七尾旅人くんのライブの準備。新政府主催ですのでもちろん無料。みなさんぜひ。 pic.twitter.com/hdU7mzQQBH
— 坂口恭平 (@zhtsss) 2015, 9月 5
おはようございます。最後の週末ゼロツアー3days。これで五月から取り掛かってきた光州での仕事が終わる。今日はツアーと途中にゼロセンターの大家さんとトークをして夜はタクのアートスペースのオープニングパーティー。最後なので失敗おそれず大いに楽しみまーす。
— 坂口恭平 (@zhtsss) 2015, 9月 10
Twitterのフォロワーを国民だと称する彼の後には、確かに大勢の人たちがトークイベントへ参加していて、その数は着々と増えているという。Twitterはマニアがコミュニティーを形成する上で欠かすことのできないものになる。
Twitterでモチベーションの管理を
最後に紹介するのは、Twitterを利用したモチベーション管理の方法だ。これは少し驚くかもしれない。しかし、Twitterでツイートする人には理解できるだろう。ツイートすることは、感情の発信でもある。感情に溢れているのなら、ツイートは絶えることはないが、感情が低迷している時、ある日パッとTwitterから姿を消してしまうことがある。
この現象はおそらく、SNS疲れではなく、ただ単純に多くのものを取り入れてしまった結果、考えがまとまらないためにアウトプットをためらってしまう現象である。つまり、ツイートが続けば自分の精神状態は上向きで、ツイートが続かなければ自分の精神状態は下向きだと判断することができる。
これらの状態はどちらを向いているかで、問題というわけではなく、ツイートが続かなければ、「今は色々と考えているのだからゆっくりしよう」と思えばいいし、ツイートが続けば、「今は絶好調だからどんどん思いついたことを行動に移そう」というふうに行動のために指針として利用することができる。
おわりに
以上のようにマニアがTwitterを使うメリットとして、
- 現代に合わせたアウトプット技術の習得
- 未来のためのコミュニティー形成
- モチベーション管理による指針づくり
という3つが挙げられる。マニアとしてこれからの社会を生き抜くためには、Twitterはますます欠かせないツールとして利用されていくことだろう。