Nowhere Man's Side

何者でもない人達へ

読みやすく新しい文体を書きたい!ワークショップデザインから学んだ「体験学習型プログラム」について。

体験して分析する、その独自の視点が面白さにつながる

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 ↑夢の中でおかしな物語を目の当たりにしている雰囲気。白昼夢を感じている時にオススメ。

 

ワークショップデザインで発見!新たな文章体系。

最近、本を執筆しているのですが、どうにも文体が定まりません。主語は「私」や「僕」を行ったり来たり、述語は「〜だ」や「〜です」など、なかなか自分らしさが出てこない。いい加減、書きやすい文体が見つからないかなぁと辟易していたところ、「ワークショップデザイン」という本に体験学習型プログラムなる方式を発見。

今回は「体験学習型プログラムを文章に置き換えてみたら、果たして文章は読みやすくなるのか」という実験的内容をお送りしたいと思います。

 

これから求められる体験学習型プログラムとは

ざっと調べてみたところ、体験学習型プログラムとは、以下のような体系になっています。

まずは「体験」から始まります。参加者全員に何らかの体験をしてもらい、その中で自分の過去の体験を呼び覚ましていきます。ここでの体験の質とインパクトがのちのステップに大きく響きます。体験の過程で起こった関係性や心理的プロセスの変化を、対話を通じて見つけ出して、学習の素材としていきます。そうやって共有できる素材が集まったら、「なぜ、そうなったのか」「それはどこから来たのか」を、みんなで「分析」します。そして、「こういう理屈ではないか」という仮説が見つかったら、実戦で使える教訓や法則として「概念化」していきます。これこそが、体験の中から得られた、腹に落ちる本当の学びに他なりません。

図にすると、こんな感じ。

 

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まず、どこからともなく訪れる直感から「?(疑問)」を感じた出来事に対して、自ら「体験」をしていく。体験の過程の中で、どこからともなく訪れた直感は、過去に起こった出来事と関係していることを発見する。甦った過去の出来事と現体験を比較、指摘して、あらゆる角度から分析。分析し終えたところで、素材を組み合わせて一つの真理として、概念化する。

TEDではよく、体験学習型プログラムが採用されていて、たいていの場合は、自分の体験を聴衆に共有してから、分析し新たな発見として概念化しています。文章でもこのように体系化された書籍があり、ジョルジュ・バタイユ眼球譚」はその際たる例ではないでしょうか。バタイユ自身がエロスな体験を通じて、人のエロティシズムはどこからやってくるのか、眼球を通して、今までにない体験をもたらし、大勢の人たちの価値観を変革してきました。

以上のような例から、体験学習型プログラムは他人に新しい概念を共有したい場合、とても重要なプログラムと考えられます。しかし、流れは理解していても、質のいい体験はなかなかできないような気がします。

ただ「体験」と言っても必ず自分の体験を引用する必要はなく、どこかで聞いたような体験を引用しても同じような効果は得られるでしょう。あらゆる視点からの分析とは、つまり書き手自身の特徴なので、ぼくの場合はジーニアス研究家としての視点から分析することができます。

体験学習型プログラムで特に重要な問題は、「体験」と「分析」です。これら二つのプロセスが独自さを帯びていれば、あとは自然と面白く、読みやすい文体になると思います。

 

体験学習型プログラムのプロセスまとめ

簡単に体験学習型プログラムをまとめておきました。

1.体験する:
過去の体験、他人の体験、小説中の体験を引用、テーマを定める。

2.指摘する:
定まったテーマに沿って留意点を指摘する。

3.分析する:
指摘した留意点をあらゆる角度から分析する。

4.概念化する:
あらゆる角度から分析した留意点を、体系化、概念化する。

 

ワークショップデザイン――知をつむぐ対話の場づくり(ファシリテーション・スキルズ)

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